毎日の私生活で人より些細な刺激に敏感に反応してしまう、物事を深く考えることはありませんか?
「エアコンのかすかな物音でも気になって仕方がない」
「周りの人に気を遣いすぎて、家に帰ったらどっと疲れて何もできない」
「人と混雑した場所に行くと、疲れやストレスを感じてしまう」
私も『HSP』という言葉を知るまで、「自分だけ何で毎日こんなに疲れているんだろう?」ととても悩んでいました。
自分の感情にも敏感で、悲しみや喜びなど、強く感じてしまうことが多いです。そんなあなたは、もしかするとHSP(Highly Sensitive Person)かもしれません。HSPは、一般の人よりも刺激に敏感で、ストレスを感じやすい傾向があります。
しかし、正しい対処法を知ることで、HSPの特徴を活かし、より豊かな生活を送ることができます。
今回はHSPの特徴を私の実体験も含めてお伝えしながら、どうしたらもっと人生を生きやすくなれるのか、対処法についてもご紹介します。
以下の内容は個人差があるため、全てのHSPの方が当てはまるわけではございません。
対処法だけ知りたい方は、目次から飛んで好きな内容からご覧ください。
目次
HSPとは
近年日本でも「繊細さん」として認知が広がっているHSP(Highly Sensitive Person)は、心理学者エレイン・アーロン博士によって提唱された心理学上の概念で、繊細な感受性を持ち、環境の変化や刺激に敏感に反応する人のことです。
現在では5~6人に1人はHSPではないかと言われています。
HSPは病気ではなく、生まれ持った個性や特性のひとつです。
HSPはストレスを感じやすく生きづらさを感じることがありますが、感受性が高いために芸術や音楽、文学などの創作分野で才能を発揮することもあります。
HSPのあるある
HSPは、生まれつき神経系が繊細です。そのため、音や光、匂いなどに敏感に反応することが多く、他の人は気にならないような刺激でもストレスを感じやすい傾向があります。
・自宅でリモートワークをしている際に隣の家が工事をしている際の騒音はとても気になり気分が落ち込んだ結果
体調不良になってしまう。
・電車や車の大きなクラクション音を聞くことで圧倒されてしまう
・電車で香水を強くふりかけている方がいらっしゃる際に具合が悪く、嘔吐してしまう。
・辛味など強い味を食べることができない。(大人になった今もカレーは甘口だったり)
・強いライト(光)が苦手。体調不良の際は、光はシャットアウトして真っ暗な部屋で横になる。
感情表現が豊かで他人の感情を読み取ることに長けており、敏感で共感しやすい性格を持っています。
また、芸術や文学など、感性に訴えるものに強く惹かれることがあります。
・テレビや映画・小説等の登場人物や、会話している相手に対する共感がしやすいことや
表情による心情の変化に気づきやすい。(感情移入が激しい為、テレビや映画を鑑賞後の疲労が大きい。)
・音楽を聴いている際に、そのメロディーに感動して涙を流してしまう。
・相手の行動を先読みして、「何をして欲しいか」と考えて先に行動する。
騒音や混雑など、刺激の強い環境に長時間いると、ストレスを感じやすくなります。また、自分自身が失敗したり、批判されたりすることも、一般の人よりもストレスを感じやすい傾向があります。
・会社で多い人数がガヤガヤしている環境で仕事をしている際にストレスを感じやすい。
・会社でイライラしている人がいると、「自分のせいか?」と考えたり「ストレスが爆発しないか?」と
ビクビクしてしまう。
・自分が失敗したり批判や怒鳴られた際に、思考停止してしまい会話の内容が入ってこなくなる。
周りの刺激に敏感である一方で、一度集中したら、その仕事に没頭することができます。そのため、仕事や勉強において、高い成果をあげることができることがあります。(その分疲れやすいことも。)
・集中環境下があり、何かに集中した際は食事や睡眠を忘れて没頭してしまう。
・夢中になれること、一つの事をとことん追求していくことができる
物事を良い・悪いどちらの方向に対しても深く考えます。
HSPは物事を集中して深く考えることができるが、その分ものすごく疲れを感じてしまうことが多い。
・何か起こった出来事について原因や行動原理やその時の状況等、様々なことを推察して考える。
・過去の出来事を振り返る際に度々、「あの時は自分が原因なのでは?」
「あのようにしておけば良かったのではないか」
「あの時に友達に言った発言は良くなかったのでは?」と一人で反省会を始めて思い悩んでしまう。
・「この言葉を発言したら相手はどう思うか?」と考えて、発言する際に言葉が詰まってしまうことや
仕事のメールの文章を悩んでしまいがち。
正義感が強く曲がったことが嫌いで、何事にも真面目に完璧にこなそうとします。
仕事熱心で細かいことに気付くために自分や他人に対して高い基準を求めてしまうことがあります。
・仕事でも細かいことを気にしてしまい、完璧な精度で毎回仕事をこなそうとしてしまい中々進まない。
・他人の行動が気になり、周りに真面目に仕事に取り組んでいない人を見るとイライラしてしまう。
・ミスをしてしまったらどうしようというプレッシャーもあり、リカバリー方法も併せて考えながら仕事をする。
刺激に敏感であるため、刺激が強い場所にいると疲れやすくなります。
また、自分や他人の感情に敏感であるため、心の疲れも大きくなりやすいです。
・周りの人に気を遣いすぎて、家に帰ったらどっと疲れて何もできない。
・人と混雑した場所に行くと、疲れやストレスを感じてしまう。
他人の感情やニーズに敏感であるため、人の頼みを断りにくいことがあります。
相手を傷つけたり困らせたりしたくないという気持ちから、頼みを断ることが難しいと感じることがあります。
・職場で上司や同僚から仕事の依頼があった時、自分の仕事がいっぱいであったとしても、相手が期待していると
思い、頼みを断ることができず、仕事を引き受けてしまう。
・相手の苦労や状況を考えてしまい、頼み事を断れない。
批判や否定的なフィードバックに敏感で、他人からの批判について自分が人格否定をされているかのように捉えてしまうことがあります。
他人の喜びや悲しみを強く感じ取るため、友人や家族の悩みや苦しみを自分のもののように感じてしまいます。
例えば、友人が恋愛や仕事で悩んでいると、HSPの人はその悩みに深く共感し、自分自身も傷ついてしまうことがあります。
・職場で上司や同僚から自分の仕事に対する批判や改善点を指摘された場合、言葉を深く受け止め過ぎて自分が
十分でないと感じてしまう。
・満員電車に長時間いると、過剰な刺激によってストレスがたまり、精神的に傷つくことも。
HSPの対処法
上記で挙げてきた内容を踏まえて、どのように対処していけばストレス軽減や人生をより自由に送れるでしょうか。
自分なりに考えて少しずつ実践している内容をご紹介します。
まずは自分がどのような刺激に敏感で、どのような状況でストレスを感じるのかを理解し、自分に合った生活スタイルを見つけることが大切だと気付きました。
まずは「私の場合はどんなことが気になるか、ストレスになるか」書き出して見てください。
外から受ける刺激やストレスを忘れて、リラックスできる環境を作ることは大切だと思います。
私が実際行っている対策をいくつかご紹介します。
1.リラックスできる音楽を聴く
私はクラシックが好きな為、リラックスしやすい曲や好きな曲を聴いています。
好みの音楽や自然音を見つけて、ストレス解消にお部屋で音楽をかけてみるのはどうでしょうか。
2.部屋の照明を調整する。
仕事から帰ってきてからは間接照明の照明を利用して、柔らかく暖かみのある光で過ごしています。
また、お風呂にはアロマキャンドルを使ってお風呂時間もリラックスできるようにしています。
何の刺激もいれたくない日は、部屋の照明を一切つけずにベッドに横になることもあります。
3.快適な空間を整える
リラックスできる座椅子を用意し、床でくつろげるスペースを作っています。
また、部屋の温度や湿度も快適な範囲に保つことで快適な空間を作ることができる為
エアコンや空気清浄機でコントロールしています。
4.アロマセラピーを活用する
リラックス効果のあるエッセンシャルオイルをアロマストーンで使用することで、心身ともにリラックスしやすい
環境を作ることができます。(私は無印良品で購入しています。)
これらの対策を試しながら、自分にとって最適なリラックス環境を作り上げていくことが大切だと感じています。
心地よい環境が整ったら、深呼吸や瞑想、ストレッチなどのリラックス方法等、ご自身で様々なことを試してみて下さい。
会社や見ず知らずの他人に対して、突然「私はHSPだから配慮してくれ!」と言っても、無謀だと思います。
しかし、家族やパートナー等の周囲の人への理解してもらい協力を得ることは大切なことだと思います。
自分の性格や個性を理解してもらうだけでも、変わっていくと思います。
最後に
HSPの方々が日々の生活で感じるストレスや困難に対処するために、HSPの特徴と対策について詳しくご紹介しました。大切なのは、自分自身の感受性を理解し、適切な対処法を見つけて、心地よい生活を送ることです。
HSPだからこそ持つ繊細な感性は、芸術や人間関係、自己成長の面で大変有益なものであり、自分の特性を活かすことができます。
今回ご紹介した対策を試してみることで、HSPの方々が少しでも自分らしい生活を実現できるきっかけになれば幸いです。
また、周りの方もHSPの特徴や対策について理解を深めることで、より円滑なコミュニケーションやサポートが可能になると思います。
どんな特性を持っていても自分自身を受け入れ、適切な対処法を見つけることでより豊かで充実した人生を歩んでいけると思います。
これからも皆さんの心身の健康と幸せを願って、実体験をもとにHSPに関する情報や対策を発信していきたいと思います。